天竜の山奥で伐採された原木がどのように木材になるのかをご覧ください。

 1.  天竜の森林 

 日本三大美林に数えられる天竜の森林の内部です。

 写真のように山は急峻で険しい道のりを歩いて伐採場に向かいます。

 時期は初秋ですので、きれいに下草が刈られ日光が射し込んでいるのがわかります。 これは間伐がしっかり行われているからこその風景なのです。
 伐採の前には下草刈り,枝打ち,間伐など多くの作業が必要です。
 2. 伐採【その一】

 伐採にもちゃんとした技術があるのです。

 まずは写真のように切り倒したい方向に「受け口」という切り込みを三角に入れます。

 深さは断面の1/3強です。

 この後,中央部分のみ芯抜きのための切込みを入れます。
 3. 伐採【その二】

 受け口の反対側から追い口という切込みを入れます。

この深さも1/3強というところ。

 この状態ではまだ樹は立派に立ったままです。
 4. 伐採【その三】

 追い口にクサビを飼い、倒したい方向に徐々に倒して行きます。

 30度くらいの角度になると樹は倒れ始めます。

 写真はまさに倒れる瞬間の様子です。
 5. 搬出【その一】

 伐採の後、3〜6ヶ月くらい樹の葉をつけたまま倒れた状態で置いておきます。
 これを「葉枯らし乾燥」といい、とても大事な乾燥期間なのです。

 そして搬出されます。
 搬出口の沢沿いに張られたワイヤーに取り付けられたラジキャリといわれる搬出ロボットから牽引用のワイヤーを引っ張り、中継点まで運び出します。
 6. 搬出【その二】

 中継地点からふもとの搬出所までは、さらに大掛かりなケーブルで搬出されます。

 写真のケーブルは延べで600mあるそうです。

 搬送用の施設を作る事だけだって、大変な労力なのです。
 7. 製材工場【原木仕分け】

 搬入された原木、つまり皮付きの丸太を大きさごとに仕分けます。
 8. 製材工場【皮むき】

 皮がついた状態の丸太を機械で皮むきにかけます。

 この後,さらに工場内で数ヶ月貯木されます。
 9. 製材工場【製材その一】

 貯木し乾燥された丸太がはじめて製材されます。

 この時、丸太の径やひねりなどを見て、梁材にするのか柱を取るのかを見極めるそうです。
 10. 製材工場【製材その二】

 写真は両刃の製材機だそうです。もちろん自動です。

 こうしてはじめて丸太から角材へと変わるのです。
 11. 人工乾燥技術

 荒製材された角材は写真の乾燥機で乾燥されます。

 乾燥技術も低温乾燥から主流の高温乾燥に変わってきて、機械も進歩しているそうです。

 この中で1〜2週間強制的に乾燥させます。
 12. ストック

 乾燥された角材は荒製材つまり材料寸法よりも10〜15mm大きい状態でストックされます。

 乾燥後の変化にも対応して出荷の際に寸分狂いのない製品として出荷するためです。

 出荷の際に再度製材された乾燥材はさらに表面を削り、通常の構造材よりきれいな肌で出荷されます。
 13. グレーデイングマシン−1

 静岡県内にも数台しかないこの機械は、柱材の強度と含水率を次号計測して印字してくれる機械です。
 14. グレーデイングマシン−2

 グレーデイングマシンによって印字された杉の柱材。

 上の柱の「E130」というのがヤング係数といって強度を示します。下は「ヤング係数=90」ということです。。
 杉はヤング係数が平均70ですので両方とも優等生。

 「SD15]とあるのが含水率です。つまり両方とも「木の持っている水分量が15%以下だよ」ということです。

 また、含水率が20%以上のものは乾燥材(KD材)として出荷されません。
 15. しずおか優良木材

 グレーデイングマシンを通らない木材は一本づつ検査されます。

 「しずおか優良木材」の基準はJASなどより厳しく、強度は杉で70以上、ヒノキで90以上,含水率は20%以下、寸法誤差は1mm以下でなければ認証されません。


こうして「木材」となったものが出荷され、私たち家づくりのプロのもとに届けられます。

この後,木材はプレカット工場に運ばれ、 一棟ごとコンピューター制御されたプレカットマシンで加工され、 上棟を迎える事になります。

プレカット加工が前提の場合、木材の含水率は絶対に20%以下でなければなりません。ミリ単位の加工をされたものが、上棟後の乾燥において変形してしまっては何もならないからです。




ご覧頂いたように柱一本が家の材料となる前には こんなに手間がかかっているのです。 そして山で切り出す丸太一本の値段が 3,000円にしかならないことも知っておいて頂きたい事実なのです。